30代40代のエンジニア、人生100年時代の働き方

斜陽メーカー勤務のエンジニアが人生100年時代の働き方について考察する。

【働き方・転職】日本の雇用について

日本の雇用制度は終身雇用を基本としており、リストラはあまり行われない。

サラリーマンにとってこの構造はありがたいし、維持してもらいたいと思っている。しかし、終身雇用は今後も続くのだろうか。

 

こんな話がある。

建機の大手、コマツは赤字転落の際、リストラを含む抜本的改革を行なったが、それは当時就任した社長である坂根氏の過去の経験によるものであった。

アメリカにてコマツ子会社の小松ドレッサーの社長時代、現地スタッフで構成された現地子会社10社と日本スタッフからなる子会社1社を有していた。景気減退により縮小を余儀なくされたが日本スタッフの雇用は調整できず、他工場の人員調整により乗り越えた。

従業員調整のできない日本子会社は、その後 景気変動への対応力が低いことから投資が見送られ、当然人員補充もなされず、従業員の高齢化が進み生産性の低い工場となった。

この経験から雇用重視の制度は競争力低下を招くと学んだそうだ。

 

終身雇用を前提とした雇用制度では、容易に人員を増やせないため、1人1人の業務時間が長くなる傾向がある。また雇用確保、既存設備の活用のため、本業で勝負できなくなってくると別の戦略を取らざるを得なくなってくる。すなわち多角化だ。

これは私の会社でもまさに同じことが起こっており、日本全体もこのような傾向があるのではなかろうか。日本人は効率が悪く労働時間が長いと言われているが根本原因は終身雇用前提の雇用制度に起因するのではなかろうか。

 

長々と書いたが、結論としては、国際競争に勝つために今までの働き方を変革する動きが本格化するなかで、その根源である終身雇用に手をつけられるのも時間の問題かと思われる。